2024.4.21
今年3月、ティクナットハン禅師が創立した、アメリカやフランス、タイの各国プラムヴィレッジ僧院から、人気の法師たちが北鎌倉の建長寺を訪れました。ハートオブのメンバーでおなじみ日本のエンゲージド・ブディストで建長寺派・独園寺住職の藤尾聡允さんがたいへん歓迎してくださり、ご案内頂きました。建長寺は、鎌倉五山に数えられる臨済宗のお寺の一つで、純粋な禅の修行道場としては日本最古の771年の歴史を持つ名刹です。ベトナム臨済宗のプラムヴィレッジとは同じ祖師の伝統です。
三門を抜け、どこにいてもこちらを見つめていると言われる、迫力ある小泉淳作の龍雲図や大きな十一面観音、外国政府からの仏像などをお参りし、重要文化財のすばらしい建築の数々を抜けていきます。
三門の下のおびんずるさま。昔の言い伝えで自分の体の痛い所をなでると直してくれると信じられていたそうです。実はブッダの十大弟子のひとりです。
禅寺では珍しい、大きな大きな地蔵菩薩の御本尊さま。地上で最後の一人までもを苦悩から救う誓願の象徴です。
重要文化財の唐門やお庭も拝見しました。
日本の禅宗の伝統の警策をつかった座禅についてお話を聞きます。座禅中の散漫や考え事、あるいは精神が安定せず、妄想に囚われた時、その考え事や妄想から解放するために用います。修行僧と一般の人に対するやり方や強弱にも違いがあり、冬用と夏用では厚みも違い、棒の持ちまでも違うそうです。
プラムヴィレッジの道場では、置いてはあっても決して用いることのない警策に興味津々で次々トライ♪ まずは「じゃあ、私から!!!」とシスター・キン。「真の臨済の伝授だ!もう後戻りはない!」とタイ・ファップ・ユン。中国での警策は背後から受けたそうです。実は鍼と同じ原理でマッサージ効果もあると聞いて、「あ、ほんと、凝りが取れた気がする♪」とシスター・チャイ。「…ちょっと痛い笑」とシスター・リン。
ブッダの教えを表わした「四十九年一字不説」の書にみんなで感激して見入ります。その手前の、日本語の文字のすべてを表わす「あ・うん」の対の脇持の像の間には、普賢菩薩像が置かれています。「何を言うべきか、言わないべきか、これはプラムヴィレッジで私たちも戒律の授業で教えていることそのものですね」とタイ・ファップ・ユン。
広い館内を拝見しながらお話に花が咲いて晩になり、国宝の梵鐘を拝見しながら、夕食に門前の点心庵に向かいます。帰り道、なかなか来ないと思ったら、建築士でもあるタイ・ファップユンがじっと見事な建築物に見入っておいででした。
Images: Rob Walsh
門前のカフェ点心庵では、このために特別に夜営業して待っていてくれました。こちらでは建長寺発祥のけんちん汁や和のスイーツも楽しめます♪
仏教について、ティク・ナット・ハン禅師に生前ぜひ会ってみたかったことについて、実はいま様々な形でタイに出会っていることについて、自殺対策やエンゲージド・ブッディズムについて、お互いのお話は夜になっても尽きず、じんわりと心に深く深く沁み入るような温かな友愛を育む機会となりました。
次の日、円覚寺でのイベントを控えていた僧侶たちに、聡允さんは横田老師がとてもすばらしい方で、プラムヴィレッジを待ち望んでいて、きっとたいへん歓迎してくださるだろうことなどをお話され、激励して頂きました。
最後は長年自殺対策の責務のために留守することなく、パスポートもつくらず従事しつづける聡允さんに、タイ・ファップ・ユンが「パスポートは私たちが持っていますから。」と言われました。そして、プラムヴィレッジの全員から、「ありがとう。私たちの中の愛の種に水やりしてくれて。あなたがそこにいてくれて、とても幸せです。…辛い時はどうか呼んでください。きっと私たちが会いに行くから。」という歌詞の“In Gratitude”の歌のプレゼントでした。
IN GRATITUDE
♪In gratitude you have watered
Seeds of love in me
In gratitude
In gratitude I will water
Seeds of love in someone too
I know you’re there for me
And I am so happy
In gratitude you have watered
Seeds of love in me
In gratitude
In gratitude I will water
Seeds of love in someone too
And when you suffer some
Please call and I will come.♪