傾聴とは、相手の苦しさを和らげるための聴き方です。慈悲をもって聴く方法とも言えます。
その目的はたった一つです。相手が心の内をすっかり打ち明けられるように、手助けするのです。
たとえ相手の話が思い違いや皮肉でいっぱいだったとしても、あなたが慈悲を保ちながら聞くことは可能です。
耳を傾けることによって、相手が苦しみを楽にする機会を得ることに、あなたは気づいているからです。
思い違いを指摘したいと感じても、別の機会を待ちましょう。今は話を遮らず、議論もしません。 さもなければ、相手は心を打ち明ける機会を失ってしまうからです。
ただ慈悲をもって耳を傾け、相手が楽になるのを助けます。 こうして1時間も相手の話に耳を傾けると、より良い変化と癒しがもたらされます。
━ティク・ナット・ハン
翻訳・西田佳奈子