「私たちの師の釈迦牟尼仏陀は、次に現れるブッダは、愛のブッダである弥勒菩薩だと予言しました。私たちは切実に愛を必要としているのです。
ブッダの教えによって、私たちは愛とは理解から生まれることを学びました。愛そうとする意思だけでは不充分です。理解なくして、愛することはできないのです。他者を理解する力こそが、受容と慈愛をもたらすのです。
もしかしたら、次に現れるブッダは一人の人の形態ではないかもしれません。次に現れるブッダは、共同体の形をとり、理解と慈愛を実践し、そして気づきに満ちた生き方を実践する共同体かもしれません。
そしてその実践は、団体として、都市として、国家として成し遂げられるかもしれません。
法華経の精神においては、私たちの誰もが、どんな伝統に属していようとも、ブッダの弟子たちなのです。私たちはこの精神を他の仏教とは呼ばれない伝統にも拡大すべきです。
ブッダ、ダルマ、サンガに相当する至宝は、他の伝統の中にも見つかります。あなたが他の霊性の伝統にも、これらの至宝を見つけ出すことができれば、共に平和と兄弟愛という目標に向かって、協働していくことができるでしょう。」
ーティク・ナット・ハン
“1993年10月、米カリフォルニアのスピリット・ロック・センターで、ティク・ナット・ハンの気づきの日(1日瞑想会)に参加した、2千人以上の人々に向けた閉幕の言葉『The Next Buddha May Be a Sangha』から。”