母の日のインビテーション

母の日ですね^^🌹💐 お母さんを思うThayからのインビテーション。 どうぞ幸せな母の日でありますように♪

 

「母への思いは愛へのそれと切り離すことができない。愛とは甘く、優しく、快いもの。愛なしに子どもは花開くことができず、人は成熟することができない。愛なしでは私たちは元気と力強さを失ってしまう。

 

母を亡くした日、私は日記にこう見出しを書いた;『人生最大の不幸に見舞われた!』 人は年老いても、母を亡くす準備はできていないと感じるものだ。自己の未熟さを覚え、突如の孤独に襲われ、幼い孤児の様によるべなく、不幸せに陥る。

 

母を賛美する歌や詩はどれも美しい。作為なくして美しい。非凡の才に恵まれるとはいかない作曲者や詩人であっても、こうした歌や詩を生みだすのに情熱を傾け、うたう時には深く情感がこもる。 … 母とは限りない愛の源であり、枯れることのない宝。

 

だが不幸にも私たちは時にそのことを忘れてしまう。母とは人生のもっとも素晴らしい恵み。まだ母がそばにいる人たちは、どうか母の死後にこう口にすることがないようであって欲しい。『長年ずっとそばで暮らしながら、母をよく見つめることがなかった。わずかに目線を交わし、お金やあれこれ用事のために言葉を交わしただけだった-』 

 

あなたは温もりを得ようと母にもたれかかり、意地を張り、母に対して怒った。母を困らせ、心配させ、その健康を徐々に害し、夜遅く眠らせ、朝早く目覚めさせた。 …

 

今晩帰宅したら、あるいは遠方なら次回母を訪問するとき、母の部屋に行って穏やかに笑みを浮かべ、隣に腰を下ろして何も言わず、母の作業の手をとめ、そして母のことを長いこと深くみつめてほしい。 あなたが母をみつめ、その存在に、あなたの傍らで生きていることに気づけるように。

 

母の手を取って注意をひくのに言葉少なに訊ねよう。『ねえ、お母さん知ってる?』母はちょっと驚き、微笑んでこういうだろう。『何を?』 そのまま母の目をみつめて、穏やかに微笑んでこう言おう。『お母さん、私が(僕が)愛してると知ってる?』

 

答えを待たずに、この質問をしよう。

 

あなたが30歳、40歳、あるいはもっと年上であっても、母の子どもとしてこの質問をしよう。あなたと母が幸せに、永遠の愛を生きることに気づけるように。明日もし母が去りゆくことになっても、あなたが後悔することのないように。」

 

―ティク・ナット・ハン